あいらぶすてすと
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窓から太陽の光がさしこむのをまぶたの裏から感じた。崇高な気分で、オレはゆっくりと目を開いた。両目から涙がこぼれてつうと頬を走った。内容は忘れたけれど…なにか、悲しいか、あるいは幸せな夢を見ていたらしい。これでぜんぶ、「おわり」。
「早く起きなさーい!」 一階から母親の声が聞こえる。 「わかってるよ!」 適当に返事をし、それでも布団の上から起き上がれず それというのも全身が酷くだるくて、 それにどんな夢を見ていたのかを頑張って思い出さなければという気がしていたからだ。 「起きなさいって言っているでしょ!遅刻するわよッ!!」 「うるさいなー!わかってるって…」 こうまでノイズが入ってしまっては、もう思い出すことは不可能だ。しぶしぶ顔を洗い、着替え、自分を日常の枠の中にセットしていく。 栄養摂取もそこそこに、 オレは靴をはきながら玄関を出た。 顔を上げ、 目の前に知らない少女がいて、 知らない少女だと…そんなはずはない。 彼女はどこかで会った。 銀髪の少女、 広くもない道路をはさんで、 彼女は小動物のような瞳でオレを見ていて、 とにかく少女と目が合った。 彼女の方も、 オレのことが見たことがあるようなないような、 そんな表情で あいまいに ニコッと笑った。 オレはその瞬間。 朝の夢、 それにこれまで見続けていた夢の内容をすべて思い出した。 それから自分が何のために生まれてきたかも思い出した、 オレは少女に伝えなければならないことがあって、叫んだ。 「会ったよ」 彼女は目を見開いた。 「本当に!?」 「そう。会った、マーガレットに」 「どこにいたの!」 「オレの夢の中さ」 少女の期待の表情が怒りに変わって 「からかわないでよ!!」 突進し、殴りかかってきた。 オレは夢の中のように強固な肉体も、すばやさも持っていないので殴られて後ろによろけた。 「ズルい!あんたなんか、私の人形じゃないの!人形が夢を見られるわけないわ!」 などとわけのわからないことを口走り、白い肌が紅潮して、 「非道い、非道いよ…」 少女はぽろぽろ泣いていた。 「どうして、私の夢には現れてくれないの? 私のマーガレット」 少女の睫毛が午前の風に吹かれて涙がこぼれた。 泣くなよ。胸が苦しくなる。 彼女のためなら何でもしてあげたいのに、その力がないのが悔やまれる。 強くなったはずだったのに。 オレは塀の上から伸びた木の枝をぼきりと折って握った。 木の枝はスラリと長くのび、太陽を照り返す白い剣に変化した。 それを彼女に手渡す。 「君自身が剣を持てばいいさ、アマリリス」 少女は剣を受け取った。 剣はやや細く形を変えて、彼女の手の中に丁度よくおさまった。 オレは剣を持っていない方のアマリリスの手を握って、 「行こう、オレも君を守るよ」 彼女が頷くと、最後の滴が頬をはなれてアスファルトに落ちた。 誰だって夢を見る。ひ弱なゲーマーも、夢の中ならば強い剣士になれる。 臆病なお姫様も、夢の中ならば剣を持てるだろう。 Endia? PR |
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