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『この物語は………で終わる』

ヒロインの声がオレにそう告げた。もうすぐだ。もうすぐ…
「草太!いい加減にしなさい!!!」

ブチッ

ブラウン管のモニターが途切れる。泣きそうなヒロインの顔が僕の前から消え去った。
クソ。あと少しで全クリだったのに!
もうすぐゲームの謎が全て解けるところだったのに!!!
クソババめ。
「朝から晩までゲームゲームゲームゲーム…ロクな大人になれないわよ!?」
「いーんだよ。もぉそんなんなれねーのカクテイだし」
「はいコレ」
「んだよ?」
「おつかいぐらい行ってきなさい。運動不足解消に。ホラ!」
「ちぇ・・・」


スニーカーの踵を踏んで玄関を出た。
…頭の中は、まだゲームのことでいっぱいだった。

あのあとヒロインはどうなったんだろう?
ハッピーエンド?バッドエンド?
世界は滅んだんだろうか?
主人公はもう死んだのかな?
あのボス、もっかい倒さなきゃなんないのか…めんどくさ

オレは手の中のメモを確認する。
「えーっと、ハムとー、人参とー、マーガリンとー、」
「ねえっキミ!」
知らない女の子が話しかけてきた。
「なんだよ?」
「今キミ、マーガレットって言ったよね!?」
「はぁ?」
意味わかんねえ女。…顔はちょっとカワイイけど。
「言った!言ったでしょ!ね、ね!!」
「言ってないよ。マーガリンって言ったの」
「……そっ…か…」
「いや、そんなガッカリされても…」

女の子はとぼとぼと歩いて去ろうとした。
風。
夕の風に銀髪がなびいて赤く染まった。

オレの頭の中に、不思議な記憶がよみがえる。
オレ自身の記憶かどうかもさやかではないが、
オレにはとても大切な大切な役割があったような・・・・
そして、
女の子とどこかで会ったことがあるような・・・

そんな気がしたんだ。



「…お前、名前は?」
なんでそんなことを聞いたのかわからない。
少女は振り返ると、優しく微笑んで言った。
「アマリリス」


たぶんそれが、物語のはじまり。



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